Eメールで受け取った請求書等は紙で保存できなくなります。
あまり知られていないのですが、法改正により、2022年1月1日から電子データで受け取った請求書等は、電子データの状態で保存する必要があります。
たとえば、仕入先からEメールで請求書を受け取った場合、今までは請求書を紙で印刷して保存していたと思いますが、今後は受け取った請求書をPDFファイルなどの電子データで保存しなければなりません。
(電子データの範囲)
どのような書類が電子データで保存する対象になるかは、国税庁のウェブサイトで紹介されています。国税庁の「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】令和3年7月」https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021006-031_03.pdfの問4では、以下のようなものを電子データで保存することとされています。
紙で入手する資料以外は、ほとんどが該当すると考えられます。
(1) 電子メールにより請求書や領収書等のデータ(PDFファイル等)を受領
(2) インターネットのホームページからダウンロードした請求書や領収書等のデータ(PDFファイル等)又はホームページ上に表示される請求書や領収書等の画面印刷(いわゆるハードコピー)を利用
(3) 電子請求書や電子領収書の授受に係るクラウドサービスを利用
(4) クレジットカードの利用明細データ、交通系ICカードによる支払データ、スマートフォンアプリによる決済データ等を活用したクラウドサービスを利用
(5) 特定の取引に係るEDIシステムを利用
(6) ペーパレス化されたFAX機能を持つ複合機を利用
(7) 請求書や領収書等のデータをDVD等の記録媒体を介して受領
(電子データの保存方法)
では、該当する電子データは、どのように保存するのでしょうか。上記の一問一答(問11)では保存する要件が記載されていますが、実務上選択肢として考えられる方法は、2つあります。
まず①コストはかかりますが、比較的簡単な方法で、請求書等保存システムを利用します。
当事務所ではTDS(https://www.tkc.jp/fx/tds/)というTKCのシステムをお勧めします。電子データをPDFファイル等にして、TDSへ適時にアップロードすることで、法令に準拠して電子データを保存することができます。
次に、②手間はかかりますが、コストがかからない方法で、規程を作成し電子データのファイル名に、日付、取引先、金額を表示する方法(たとえば、ファイル名を「20221031_㈱国税商事_110,000.pdf」とする)があります。具体的には、上記一問一答の問12を参照してください。 なお、規程については、上記一問一答の問24に記載があり、サンプル(法人用)は、「電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程(法人の例)(Word/16KB)」を参照してください。
いかがでしょうか。
2022年1月から法令が適用されますので、準備期間は残り4か月弱となります。早めに準備をすることをお勧めします。
ご不明な点がありましたら、当事務所までお問合せください。